痛い皮膚炎には抗真菌薬かフシジンレオ軟膏か

2019年11月03日

皮膚がただれたり赤く腫れたり、水ぶくれができて痛いといった症状が出たとき、とりあえず薬を塗っておこうと考えるのは当然かもしれません。
しかし使用する薬を間違えると、まったく効果がないどころか、かえって悪化することもあるので注意が必要です。

痒くて痛い皮膚炎の代表例として、子どもに多いとびひがあります。
小さな水ぶくれがたちまち全身に広がり、他人にも伝染することから「飛び火」と呼ばれます。
その原因は黄色ブドウ球菌や連鎖球菌で、虫刺されなどで引っ掻いた傷口から侵入します。
化膿して皮膚が破れると痛いし、痒いので爪で掻くと細菌が手の指から別の場所へ広がります。

フシジンレオ軟膏は、とびひに効き目のある薬のひとつです。
これは細菌のタンパク質合成を阻害し、増殖を抑制する抗生物質です。
ブドウ球菌や連鎖球菌に対して殺菌効果が高く、耐性化もあまり進んでいないと言われています。
しかしフシジンレオ軟膏に限らず、抗生物質には効く病原体と効かない病原体があります。
フシジンレオ軟膏の場合、ウイルスや真菌には効果を期待できません。

人間の皮膚には多数の細菌や真菌が寄生していますが、その大部分は悪さをせず、互いにバランスを保って生きています。
しかし抗生物質で特定の菌だけを殺すとバランスが崩れ、別の菌が異常に繁殖して害を及ぼすことがあります。
真菌が増殖して起きる症状には、抗生物質は効果がなく、抗真菌薬しか効きません。
たとえば、おむつかぶれから生じる寄生菌性紅斑に抗生物質を塗ると、症状が悪化してしまいます。
このような場合には抗真菌薬を使用します。

もちろん抗真菌薬も、使いすぎると耐性菌を生じます。
抗生物質にせよ抗真菌薬にせよ、可能な限り使用を最小限に留めることが重要です。